無条件に広陵の優勝を祈ってトーゼン?な、広島県民の私であるが、
実は私も下の少年も、初戦から進学校である「県立普通科高校」の
佐賀北高校にとても注目していたし、応援していた。
まさか の 優勝戦で 広陵と当たることとなり、
どっちを応援したらいいのか、葛藤し、
結局 「 どっちも頑張れ~~!! 」な心境で観戦していた。
だが、4-0の広陵リードで迎えた8回裏。
突如、制球に苦労し始めた広陵・野村投手に息詰まる想いをし、
私の目にはストライクと見えた5球目がボールと判定されて押し出し。
あれがボールなら、もう投げるところがないよね?
と思った途端に、満塁ホームランを浴びる。
このとき、私は懸命に広陵の応援をしている自分に気付く。
そして、そんな私自身のこころが面白いなぁ。と。
自分の生まれ育った土地の風景、山や川。
瞼に懐かしく、ふつふつとわきあがる「郷土愛」というものとは違って、
國も、県も、行政的に区切られた区画でしかない。
たまたま日本という行政単位のなかに生まれ、育ち、
日本国籍を持つ私は、【日本人】で、
他の国籍を取得することは、それぞれの國に定められたさまざまなルール、
制約、制限があり、自由にとっかえひっかえ、という訳にはいかない。
だが、国内都道府県の何処に済もうと、
住民票の手続きは必要ながら、それは全くの自由である。
地方税以外で、特別その都道府県に縛られている訳ではないし、
普段、その都道府県からの恩恵を感じることもなく、
当然、その民草になることを強制されている訳でもない。
なのに、こうしたスポーツ等で、都道府県対抗となると、
何故、自分の所属する地域が在る都道府県を無意識に応援し、
勝手に期待し、勝手に誇りに思ったりするのは何故だろう。
例え自分に近しい縁もなく、訪れたこともなく、
耳慣れてもいない地域であっても、
「そこ」が、自分の属す自治体のなかにあると、
それだけで、何かしら贔屓に感じられる想い。
誰しも、自分自身が属す、とされるもの、に対し、
愛着やら、誇りやら、を持っていたいものなのだ、と思う。
【 愛国心 】然り。
誰に教えて貰わずとも、
ことあるとき、それは自然にわきあがってくる想いではないか、と思う。
国外に1歩踏み出せば、自分が「日本人」であることを嫌でも意識する。
出逢うひと、出逢うひとが、
「日本」のイメージを通して自分をみつめ、
自分を通して「日本」を観、判断し、評価されていくのを感じる。
今、自分自身が属し、生きて在る國。
自分に近しい、愛するひとびとが生きて在る國。
大切にしよう、常に誇りに思える國であるように自身が努めよう。
そう自然に思える國へと、ひとりひとりがそれぞれに向き合い、
参画していくものなのであって、
やっぱりそれは、強制されるべきものではない、と思えてならない。
自分自身の身の周りから、自然に学び、
自然にわきあがってくる想いであればこそ、尊いもののように思う。
97%の進学率である、県立の普通科高校であること。
全員が佐賀県出身の、進学校へ受験合格して来た少年たちで、
リトルリーグなどで活躍した経験を持つ少年はひとりもいなかったこと。
乏しい予算で、ボールとアウトカウンターは信号機で手作りし、
ダッグアウトのベンチは、溝として使用するコンクリートを逆さまに置き、
倉庫がないため、コンテナを使う。
強いサッカー部に遠慮しながら、日に3時間、
それも最後の1時間は照明設備のないグラウンドでの練習。
グラウンドを広く使えないため、内野中心の練習を重ね、
特にホームスチール攻守の練習をみっちりやって来たこと。
公立高であれば、何処も同じような環境であることから、
郷土はもとより、全国の共感と期待を一身に背負わされた佐賀北高。
最後は 超満員の甲子園観客の割れるような応援に押されながら、
自分たちの野球を貫き、勝ち取った栄冠。
勝利後のインタヴューでの監督、主将の謙虚さ、初々しさ。
何から何まで爽やかで、お見事でした。 おめでとう!!
そして、広陵。
古豪、と言われながら、それでも夏の優勝はしていない。
古豪と言われても、当然ながら毎年毎年、選手は違う。
そしてここ何年も、広島県勢は早くに敗退して来た。
県下には、他に県立商業、県立工業、崇徳を始め、
山陽、瀬戸内、如水館と、強豪高がひしめき合い、
春の優勝、今大会の快進撃は、広陵の「悲願」を大きく膨れ上がらせた。
初戦から、駒大苫小牧。
今大会は、どの試合も相手チームに人気があり、
アウェイ的な雰囲気のなかで、動じず、勝って行く姿に胸が痛かった。
なかでも球場全てが敵、というようなこの決勝戦は、忘れられない試合になった。
それでも、
「 こんないい試合ができて、満足です 」 と言えた 主将の土生選手。
「 思い切りできたので、悔いはない 」 と言う 野村投手。
とても見事な試合でした。
私が泣いてどーする!
あなたたちの活躍に、あなたたちに破れ、あなたたちに夢を託した
広島県の野球少年たちの涙は報われてる、と思う。
使い尽くされている言の葉だけれど、やっぱり言いたい。
感動を有難う☆☆
* トラックバックのため再アップしました。
本文は【Last updated 2007/08/24 08:42:06 AM】
以降、手を加えておりません。
- 関連記事
-
スポンサーサイト
この地が変わらぬなら、変えよう、とするなら、まずは自分の在り様を変えるべし、と、
「良かったみつけ」に奔走し、出来うる限りの努力をしても、愛せない。
そんなのは、とても不幸、だと思う。
お子たちに「郷土愛」が育つのは、肉親の愛に包まれ、
優しく、ときには厳しく見守り育んでくれる地域社会、
宝物のような近しい友があってこそ、と、つくづく思う。
そのために、大人、である自分のできること。
学習指導要領で規定される「愛国心」。
、、、、そんなようなことをぐるぐると考えさせられた1日。