月曜日。
前日の湯治 で上向いていた少年だったが、
夜の間にあちらこちらを掻き壊して酷い様子。
起き上がれないし、熱まで少しある。
3年前の脱ステ中の私のように、浸出液まみれにならないのだけが救い。
やはり昨日、『みはらし温泉』に泊まれば良かった、と後悔する。
高校は金曜日まで授業だし、私の仕事もあったし、
夫も帰宅してくるかも知れず、つい自宅へ帰ることを選んでしまった。
起き上がれず、しんどそうな息の下から、昨日楽になったことを思うのか、
少年は、今日も温泉へ連れて行け、と言う。
「 治してしまいたいんぢゃ~~!! 」 と言う。
だが、連日では、本調子でない私の方がキツいのと、
翌日に広島まで出社するのを控えていたために、ごめん、と謝る。
その代わり、今からお風呂を入れるから、
持って帰った温泉水を全部入れて、「 にがり 」を足して、
1日、出たり入ったりして過ごそう、と提案する。
「 治してしまいたい 」。。。( ┬_┬)。
病に倒れるひとびとが必ずそう願い、祈るこころ。
アトピー体質が根治できるものであるなら、どんなに素敵なことだろう。
でも、肌の弱さは、自らの遺伝子に組み込まれ、
自らの体質として抱え込んだもの。
根治させる術はなく、手探りで。
自分で自分の肌を守っていくしかない。
申し訳ない、と思う。
全部全部、私が引き受けることができるものなら、と思う。
顔が自分の顔でなくなり、
全身が脳を突き破るような痒みに、血液と膿と体液にまみれ、
皮や肉を引き剥がし、骨を砕いてしまいたいまでの
灼熱の狂わしい痒みに。
自分の肌の下に、幾千幾万の蟲が蠢いているような不快さに。
死んでしまいたい、もう殺して、と
つい3年前、のたうった私自身がそこに在る。
当時の私ほど酷くはないものの、
どんなに孤独な想いを味わうか。
どんなに情けなく、呪わしい想いを抱くか。
そのことに、少年の年齢では耐えられないかも知れないという恐怖。
実際、少年は「 置いて行かれる 」と口走る。
「 大事な時期なのに 」と。
置いて行かれる哀しみも恐怖も。
治ったとしても顔に全身に、醜い痕が残るのではという恐怖も。
つい先日までの私自身。
よくよく判る。 死ぬほど判る。
でも、「 長いスパンで考えて欲しい 」と私は言うしかない。
、、、それでも。
それでも自分の個性だと。
憤るのではなく、諦めるのではなく、どうか受け入れて、向き合い、
どうか、長く、上手に付き合って行って欲しい。
そのために、自分で積極的に食生活に気をつけ、衣類を選び、
部屋の掃除等に心掛けて欲しい。
健康でない肌 への痛み、願い、祈りを識った君。
どうぞ、しなやかに、勁く、ひとにやさしく。
食欲がなく、朝から入れたお風呂も2回入っただけで、昏々と眠る。
痒くて眠れない夜が続いているので、少しでも眠れるときに
ひたすら眠って、体力をつけよう。
そして、皮膚の再生力へと結びつけて欲しいと祈る。
、、、夜。
塾の先生より電話。
夏休みが勝負なので、一緒に計画表を立てよう!と
話をしたばかりなのに、今日で3日、姿を見かけません。
体調の崩れが出てくる時期なので、とても心配をしています。
優しそうなお声に、下の少年がこころを許すのが良く判る。
高校の担任からは何もないのに、有難いこと。
、、、明日もおそらく登校は叶わない。
私は、といえば、どうしても出社しなくてはならないため、
傍についてあげられず、可愛想で、申し訳なくて、眠れぬ夜。

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世の中には、こんな苦しみや悲しみを抱えた人たちがいることを、一人一人の直の声としてブログで知ります。
少しでも良くなられることを心から、心からお祈りしています。