FC2ブログ

今日も元気で

今、生きて在れることに感謝し、限られた生を慈しみ、楽しんで、感謝のなかに在ろうと決意中。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

出雲大社の御札。



   ぴんぽ~ん。



   ドアを開けると、お歳の頃は70代。
   神官の服装をした御方が姿勢正しく立っておられた。


      「 まぁ、もぉ、1年経ったんですね!!
        お元気でいらっしゃいましたか 」


   思わず言の葉が勝手にこぼれ出してくる。


tree



   この地に転居して初めての晩秋に、
   チャイムが鳴って玄関を開けた時に、神官さんが立ってらしたのには驚いた。


   木枯らしがびゅーびゅー吹き荒れる日で、
   神官さんのご衣装が、なんとも寒々しく目に痛かったが、
   背筋がぴんと伸びられて、こちらまで衿を正すような心地がした。

   出雲からお越しで、毎年、お札を配って歩いている、と言う。

   広島時代はマンションだったからか、こうした出逢いはなかった。
   初めての経験である。


       かつて日本史を学んだものとして。
       日本史の教諭になろうと、少しでも考えたものとして。

       出雲の國。 出雲大社にはまた格別な想いがある。
       大学時代、松江に住む叔母宅を宿に、3日通った。
 

   一瞬迷ったが、その御方の佇まい、物腰に御札をいただくことにした。


   御札をいただき、お金をお渡しすると、
   その場で領収を切られ、翌年の出雲本暦をいただいた。

   辞されるとき、「 どうぞ、来年も皆さま、お倖せに 」とおっしゃられ、
   思わず、涙がこぼれた自分に驚いた。


   3月。 私の誕生日に同居の形で転居し、8月末に新居が完成して入居。

   新居が完成して、義父母の家を出ることができて嬉しかったのはその夜だけ。
   翌日から、ちっとも「別居」になってないことに気付く。

   この地の「嫁」として恥ずかしくないようしっかり私を育てようとする義母。

   異邦人を観る、地域の方々の監視のような視線に疲れ果て。
   毎晩、広島恋しさに声を出さずに泣いている上の少年にこころ痛め。

   毎日毎日。 農村での暮らしに、私は疲れ果てていた。


      義父母に良かれ、という一念で転居して来たが、
      私はちっとも倖せぢゃない。
      上の少年もちっとも倖せぢゃない。
      また来年も、これまでと同じ日々が続く。

      もぉ、イヤだ。 私は ここ から逃れたい!!!



  「 どうぞ お倖せに 」 とおっしゃられた途端に涙を滴らせた私に、

    神官さんは、
       「 おゃ、神さまが泣いていらっしゃるのですね 」
    なんとも言えないお顔でにっこりされ、
       「 どうぞどうぞ、お倖せに 」
    もう一度、そうおっしゃって、ぴしっと美しい一礼をされ踵を返された。



    その毅然とした佇まいに、暫し自分も玄関へ立ち尽くし、
    神官さんの背中が見えなくなるまで、見つめてしまっていた。

     「 倖せ 」 という言の葉があることを、
     私は、転居以来、忘れていた。

     私は、ずっとずっと辛くて、不幸で、悲しかった。

     でもそれは、どうしてなのか。
     このまま、死ぬまで、私はそう思いながら生きていくのか。

     目が醒めた瞬間だったように思う。




    以来、この神官さんがお越しになる度、
    また、1年経った、もぉ1年経った、と思わせていただいている。


    一昨年、領収を書こうとされたときに、
    神官さんのボールペンが、折れてしまった。

    「 あ! 」 とふたりで声を上げ、
    私は玄関前に常備しているボールペンをお渡しし、

    「 どうぞそのまま、お持ち下さい。
      こういうときのために何本も用意しているのです 」 と差し上げた。

    「 本当によろしいのですか? 」

    と、恐縮され、何度も御礼をおっしゃられ、
    最後に、いつもの、
    「 どうぞ、お倖せに 」とおっしゃって辞されたのだったが。


    昨年。
    いつものように御札をいただき、神官さんが領収を書かれたとき。


    「 奥さま。 覚えていらっしゃいますか。
      昨年、お心遣いをいただき、大変に助かりました。
      帰って報告致しまして、皆で慶ばせていただきました。

      今年は、ペンの御礼に、お神酒をお持ち致しました。
      どうぞご笑納下さい 」


    驚いた。
    1年前のことである。
    それが有難い御神酒となって戻って来た。

      『出雲大社御神酒』と筆で書かれた白い箱。

    畏れ多くて、そのままずっと飾っている。

    お正月に、義父の忌明けも兼ね、このお神酒をいただこうかな。。。。。
  




    近所に大きな由緒ある(らしい)神社が在るが、
    そのていたらくは、何度も記した通り

    この地の私にとっては、この神官さんに玄関先でほんの数分お逢いするのが、
    こころのお宮参り、のような気がしている。



       相変わらず、美しい佇まいの神官さんだが、やはりお歳を召された気がする。
       あの薄物のご衣裳でも、平気なお顔をしていらっしゃるのは、
       日頃のご鍛錬の賜物なのだろうか。

         「 また来年もお目に掛かります。 どうぞお倖せに 」

       そうおっしゃられたとき、つい、

         「 はぃ、お待ちしております。 どうぞお元気で 」 と言ってしまった。

       深く頭を下げられたが、ちらりと笑みが見えたような気がした。



       どうぞどうぞ、お元気で。 


晴れ


にほんブログ村 ライフスタイルブログ 自分らしさへ


関連記事
スポンサーサイト

ジャンル : ライフ
テーマ : スピリチュアルライフな生き方

タグ : ありがとう 倖せ 出雲教 神官 お宮参り 神社 神道 氏神 お札 お神酒

[ 2006/11/20 10:19 ] ささやかな倖せ | TB(0) | CM(15)
いい話ですね
読んでて、私も涙がこぼれました。



私も、中2のあの食堂のあった地は、田舎でしたから、田舎のいいところも悪いところもわかるつもりです。特に、よそから来たものにとっては、よそ者という意識が多く、ちょっとしたことが、数時間後にはすべての家が知っているという状況に驚愕したことがあります。ただでさえ、いい思い出のない地でしたから、なおさら、あの場所には行きたくないとおもったものです。



そんな中にも、このような出会いがあることはありがたいと思いますよね。



なんか、幸せのおすそ分けをしてもらった気分です。ありがとう(*^_^*)



[ 2006/11/20 11:53 ] [ 編集 ]
Re:出雲大社の御札。(11/20)
 嫁いで間もなく、まだ義父が全く健康そのものであった頃、一家で出雲に尋ねたのを思い出しました。日御碕灯台に立ち寄り、写真を撮りました。

 いつか、旦那様と連れ立って、おい出たら良いと思いますよ。仁摩のサンドミュージアムも良いかもしれませんよ。



 まだ、日記に書いていませんが、昨日、ちょっと悲しいことがあって、家族って何かなぁ、と思った矢先ですが、鰯の頭も信心からと言います。母からは、「何事も、良きに悟りて喜びを得よ。」と言う言葉を預かって嫁に来ました。嫁いだものの辛さは嫁いだ者にしか判らない部分があります。でも、何もかも、笑い飛ばせる大きな人間に育つことが出来るのも、その環境があってこそ。そう思って精進、精進です。ナハハ・・・・。
[ 2006/11/20 13:14 ] [ 編集 ]
Re:ほのぼの
実家の父は、神道で葬儀をしたのですが、その神官さんもとてもよい方ですよ(^^♪

普段は農業をされており、奥様は20年以上に亘り母の同僚だったご夫婦。

三男さんは、私と幼稚園から中学まで、1学年上の同窓生。その嫁さんは私の友人。

お孫さんはうちの姪っ子と同級生で部活が一緒…という、家族ぐるみでご縁の深いお方。

お米は、もうずっとそちらにお願いしていて、頼むと軽トラで玄米から搗き立てのお米を、神官さんが自ら届けてくださるのです(^_^)v



ちっちゃくて、細身なのですが、頑健なお体である様子。人柄もおっとりと穏やか。

一方、奥さんは、私も30年来のお付き合いなのですが、チャカチャカと元気で、そそっかしい楽しい方なのですが、そのウッカリを後ろでフォローする、ナイスカップルなのです(^^♪



ほのぼのしたお付き合いをしておりますの。そういうのって、お葬式やっていただくのも、知ったもの同士の安心感があって良いものです。
[ 2006/11/20 15:30 ] [ 編集 ]
ほのぼの
うちの実家の方は、田舎であっても、温泉地だし、国道1号線・東海道本線が近いこともあってか、外からの流入者が多い土地柄なので、あまり「よそ者」感のない土地柄かも~~

(温泉地の旅館の従業員など、男女問わず、出稼ぎとか、地方から流れてくる感じ?

結構北からの方が多いようですよ、うちの母も北海道からの就職組だし。)



おかげで、りうりうさん処のような閉塞感がないので、お話を伺っていると、「それって、信じられな~~い!」って事がありますね。

「いや、『田舎』って一くくりにしないでぇ~~。うちの方はそんな酷くないよぉ」って言いたくなる時も(^_^;



逆に、かえって、新住民の方々が、地元に溶け込もうとする意欲が空回りして、過去の、現在では合理的じゃない(往時はそれが合理的だった)方法に拘って、もめることもあるようです(~_~)



出雲大社、私も好きですわっ!

ドライブ方々、お参りして、近所でお蕎麦を食べて帰るのです。(^^♪

もしかしたら、そのお方とは、神社の神域の中ですれ違っておるかもしれませんねぇ!(*^_^*)

次回行くときの楽しみが出来ました。「この方かな?あの方かな?」なんてキョロキョロしながら、お参りすることとします。



《ごめんなさい、書き直しです》
[ 2006/11/20 15:33 ] [ 編集 ]
Re:出雲大社の御札。(11/20)
こころのお宮参り…不思議なありがたいご縁ですね。お神酒の味、想像してます♪
[ 2006/11/20 19:07 ] [ 編集 ]
Re:いい話ですね。(11/20)
りきkkぱぱさん

>しかも、お神酒

 お酒を大切にされる方は みんな素晴らしいかたよ。

http://plaza.rakuten.co.jp/rikisakuda/diary/200611120000/

--真面目に造っている 私のところも

 このままなら 23日あたり 上槽です。

 新酒の 若くて 力強くて そして芳醇な香が

 流れ出てきます。のどが鳴ります。(^o^)

[ 2006/11/20 20:51 ] [ 編集 ]
嗚呼、出雲大社
広島あたりだと、出雲の神官さんがいらっしゃるのですね。

私は元ダンナと1度、友人たちと一度行きました。

    そばアレルギーは、出雲そばのお店で発覚しました(T□T)



かと言って、やっぱり日本最古の神社、八百万の神の集まるところ、

出雲の国は、りうりうさんと同じく、日本史に惹かれてやまない私としては、

何度でも足を運びたいところです。



幸せじゃなかった、と言い切れてしまう、気持ちは、

理由は全然違うけど、私も同じです。

それでも、私と違うのは、りうりうさんは周りの人に幸せをあげてきた、と思う。。。。



ボールペンが折れたことで、神官さんはどんなに狼狽されたことか、

手渡されたその1本がどんなにありがたかったことか、

わらしべ長者のように心遣いが戻ってきたのですね~。

まさに、情けは人のためならず。



「今年(来年)こそ幸せに」と、お互い、自分のことを、周りの人のことを、

祈りながら歳を越せたらいいなあと思いました。
[ 2006/11/20 20:53 ] [ 編集 ]
お裾分け☆
いつもこころを寄せて下さり、有難う☆☆>rain27jpさん



 > 読んでて、私も涙がこぼれました。



書きながら、ちょっぴり涙がこぼれたの、判っちゃった?(笑)。

ずっとずっと辛かっただけの毎日が、少し変わっていけるかも、と思えた瞬間でした^^*☆



今朝も変わらぬ神官さんにお逢いできて、嬉しかったです☆

[ 2006/11/20 23:46 ] [ 編集 ]
出雲日御碕灯台
私も行きましたですよ~^^*☆>さきさん1850さん

暫し日本海に見とれ、満喫して叔母宅へ戻りました。



 > 「何事も、良きに悟りて喜びを得よ。」と言う言葉を預かって嫁に来ました。



さきさんと出逢うことができて、すぐに、その言の葉を大事に日々頑張っておられること、

身にしみて感じたことがありましたです^^*☆



 > 嫁いだものの辛さは嫁いだ者にしか判らない部分があります。



ですね。

私は同居なさっておられる方々を、心底尊敬しています。

泣いて過ごしても、笑い飛ばして過ごしても、時の流れは等しく同じ。

ならば、日々生きて在ることに感謝し、

倖せを感じることのできる毎日を過ごしていきたい、と思い、日々精進、です。



んでもやっぱり。

なかなか、なかなかです、ね(゚゜)\バキ☆

ふぁいと~~~~(へろへろ)>ぢぶん

[ 2006/11/21 00:08 ] [ 編集 ]
出雲大社教、出雲教。
しゅすらんさん

出雲大社の祭神は大国主命で、出雲大社自体は神社本庁の傘下に在っても、

出雲大社教、出雲教と、二派在って、ちょっと違うんですよね^^*☆



幼少より出雲神話に親しんできたのですが、

井沢元彦氏の『逆説の日本史』を読んだ時には、それはもう、わくわく致しましたよ~~♪



次回は是非、八重垣神社にもお参り下さいませ~。

知名度の割に田んぼに囲まれた小さな神社で、宮司さんたちが温かです。

ここでの縁結びの占いでの笑い話を、いつか日記に書くつもりでいます(笑)。



 > 実家の父は、神道で葬儀をしたのですが、その神官さんもとてもよい方ですよ(^^♪



素敵な形で地域に根ざしておられますよね。

私の大叔父も、私の実家の氏神である大きな神社(そこで家族だけの平服挙式をしました)の

お世話をしており、お祭りや七五三、年越しには装束を着て張り切っておりました。



 > ほのぼのしたお付き合いをしておりますの。



この地の神社さんってば、、、(以下、大悪口になるので割愛致します)(ー"ー)。

氏子さんたちに呆れられ、見放されるようでは、お終いですわ。

[ 2006/11/21 00:37 ] [ 編集 ]
御神酒の味。
有難うございます^^*☆>tarantini78さん



 > お神酒の味、想像してます♪



箱から出しておりませんから、そんなに変質はしていないとは思うのですが、

1年経過しています。。。。どうなっちゃってるかな?

[ 2006/11/21 00:40 ] [ 編集 ]
新酒。
ぃよぃよ、23日、上槽ですか?>りきkkぱぱさん

わざわざご報告、有難う( ┬_┬)。



あまりに香り高そうで、美味しそうで、ぱぱさんちには、

『君子、危うきに近寄らず』でコメントを控えてましたのに。



 > 新酒の 若くて 力強くて そして芳醇な香が

 > 流れ出てきます。のどが鳴ります。(^o^)



くぅぅ。 ええのぅ。(涎)

私は、お酒が大好きですが、なかでも日本酒が1番好きなのです。

それも冷酒。 誰が何と言っても好きなのです。

舌先で転がしながら、喉ごしを楽しみながら、こくこくといただきます。



もぉ1年近く断酒しておりますが、ぱぱさんちの新酒。

禁を破っていただこうかなぁ。。。。( ┬_┬)。

[ 2006/11/21 00:52 ] [ 編集 ]
Re:嗚呼、出雲大社(11/20)
ふにふに。。さん



ふにふに。。さんは井沢氏を敬愛していらっしゃるから、

『逆説の日本史』にはシビれてしまわれたことでしょうね^^*☆



 > それでも、私と違うのは、りうりうさんは周りの人に幸せをあげてきた、と思う。。。。



そんなこと、絶対にありませんよ( ┬_┬)。

ふにふに。。さんがご自身をダメダメとお思いになられることがおありになるように、

私も、ほんとにまるっきしダメダメなんですから。



 > わらしべ長者のように心遣いが戻ってきたのですね~。



そうなんです^^*☆

出雲から、1年後に御神酒をお持ち下さって。

本当に驚きましたし、感動致しました。



 >「今年(来年)こそ幸せに」と、お互い、自分のことを、周りの人のことを、

 > 祈りながら歳を越せたらいいなあと思いました。



そうですね^^*☆

優しく、温かなこころで、古き年に別れを告げ、新しい年を迎えられますもんね?

今年はご一緒に年を越しましょうか^^*☆

空は繋がっていますもんね。

自分のこと、家族のこと、皆さんのこと。。。。

感謝して、お祈りしながら除夜の鐘を聞きましょう^^*☆



[ 2006/11/21 01:02 ] [ 編集 ]
Re:出雲大社の御札。(11/20)
あぁ・・・

朝から素敵なお話を読ませていただきました。

ありがとうございます。

どんな時にもしあわせを感じていたいです。

きゅん・・・。
[ 2006/11/21 09:48 ] [ 編集 ]
倖せ。
こちらこそ有難うございます☆☆>こまま1023さん



 > どんな時にもしあわせを感じていたいです。



私たちには、自由になる手足があり、想いを伝える口があり、

家族があり、家があり、、、、、

もぉ、有難いことだらけ、ですよね^^*☆



ふぁいとふぁいとで参りませう>ぢぶん。

[ 2006/11/22 16:53 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。