この界隈の家々は、昔ながらのお宅が多く、
だもんで、殆どが
大仰な 【 入母屋屋根 】である。
だもんで、私は 入母屋屋根が大嫌いになった。
蓮華王院本堂のやうに壮大なる邸宅なら、入母屋屋根も大仰ではないが、
小さな家屋に入母屋屋根だと、どうにもごしゃごしゃとバランス悪く感じるし、
何より それが、入母屋屋根 > 切妻屋根 > 寄棟屋根 として、
【 格が高い 】から、と
猫も杓子も 入母屋屋根であることが、
つい 「 なんぼのもん 」 と思ってしまう私には
どうにも 居心地が悪いのである^o^;。
そいでもって、以前にもブログで記したが、
この界隈では、日光を反射してぴかぴか光る、赤瓦が多い。
雪を滑り落とすために、油土を使った『 油瓦 』と 呼ばれる瓦で、
内部に水が染み込みにくく、冷害にも強い仕様になっているのである。
これが豪雪地帯で鳴らす隣市であれば、
盆地特有の気候や豪雪に強い油瓦である意味があるが、
そこまで雪の降らぬこの地ではどうだろう(-_-)。
「 100年持つ、と言われた 」 という義母ご自慢の赤瓦。
この地では、
瓦が赤いかどうかは、【 家の格 】に関わる大問題なのである。
分家の義父母が 本家に仕え、本家から土地を貰い、食べるものも食べず、
辛抱して辛抱して、川原から石を運び、山から木を切り出し、
班のひとたちの手を借りつつ、まさに、自分たちの手で建てた家。
夫が生まれた頃は、母屋の2階への階段もなかったという。
( 縄梯子で上り下りしていた由 )
それでも、【 見下されたくない 】 一心で、瓦には ふんだんにお金を遣い、
赤瓦のなかでも、当時「 最高級 」 と言われるものを選んだらしい。
「 うちは襤褸屋ぢゃけど、瓦は えぇんぢゃけん 」
鼻高々な義母の自慢話は、既に耳タコ100匹である。
この地では、殆どのお宅が、新築されるときも、
入母屋・土壁もしくは木壁 の 昔ながらの家をお建てになる。
だもんで、地元の建設業者を使わず、
全国メーカーの「 ハウス 」を建てた我が家が、
義母にとって、如何に不本意なる恥さらしであったか。
「 せめて、屋根だけは 赤い油瓦の入母屋で 」
という義母の切なる願いを
「 絶対にイヤっ! 」
と拒否した私は、まさに いまどきの鬼嫁 であったに違いない^o^;。
で、
先日の豪雨 で 義母宅では雨漏りがした箇所があり、
また、義母宅前の坂の上に位置するお宅から、
上から見ていて、義母宅の母屋と納屋の屋根が交錯する箇所に、
水溜りのやうに水が溜まり、渦が巻いていた、このままだと危険なのでは、と
指摘された由にて、義母は 3日間程 私を巻き込んで悩みに悩み、
とりあえず、樋の点検修理、
ついでに 雨漏り箇所の瓦の修復工事を頼むことにしたのだったが。
この間、義母宅の近隣では義母宅の屋根修理について喧々諤々。
本家からは、もう長義兄が 義母宅へ帰って来る事もないのだから、
このまま直さず、晩年は三男宅( 我が家 )へ同居し、
義母宅は取り壊してしまった方が、後顧の憂いがなくなる、
とか言われたようで、義母の嘆き、ヘコみようは目を覆わんばかり。
屋根の点検をしていただくと、
築60年余の瓦は、さすがに磨耗して割れやすくなっており、
また、昔のことなので、瓦を土で留めているために、
全体にズレての雨漏りと、納屋の屋根との接触とで、
これはもう【 葺き替え 】時期である、との由。
ざっと200~300万掛かるようで、
義母のこだわりの赤瓦にすればもっと掛かる。
「 100年持つと言われたのに!
」 という義母の嘆きと併せ、
義母は、自分がまだ 元気である今、葺き替えをすべきか、
でももう、この家に住むものはいないのだから、この際、取り壊しを選択するか。
ますます大混乱、大苦悩、大困惑、である。
必死の形相で、家自体の存続を 私に相談されても、私も困る。
ただただ、長義兄さまに相談して 決定してくれ、
私は長義兄さまの言われる通りにしますから、と 言うのだが、
頼みの長義兄夫婦は、オーストラリアに旅行中(滝汗)。
「 瓦は、発注してから焼いて貰うんぢゃけん、
そうこうしとったら台風が来る。
わしも いつ、どうなるかわからんし、
帰国するまで待っとれん!!
」
ぃゃぃゃぃゃ。 お義母さまは まだまだ お元気でいらっしゃるし、
今すぐ、屋根が崩落する、という切迫した状況ではないのだから、
義長兄さんを待ちましょうよぉ(滝汗)。
こんな大事なことは、まずもって、
跡継ぎさんである義長兄に1番に相談して欲しい~。
義長兄の帰国まで、なんとか義母を宥め続けやう! > ぢぶん
その分、連日、家を取り壊すか、瓦の葺き替えか、
葺き替えるとしたら、どんな瓦にするか、業者は誰を選ぶか。
ひいては、町内の瓦業者さんたち それぞれについてのあれこれ話。
瓦業者さんたちのお連れ合いさんのご実家のお話まで(-_-)。
朝から晩まで 義母のお悩み話、噂話が賽の河原の如く。
。。。義長兄が帰国するまで、あと1週間。
頑張れ!! > わたし。
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