今日も元気で

今、生きて在れることに感謝し、限られた生を慈しみ、楽しんで、感謝のなかに在ろうと決意中。

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ナガサキ の 日 に





      祈。




クレパスライン






     『 生ましめんかな 』
 
 


   こはれたビルデングの地下室の夜であつた。

   原子爆彈の負傷者達は
   暗いローソク一本ない地下室を埋めていつぱいだつた。

   生ぐさい血の匂ひ、死臭、
   汗くさい人いきれ、うめき声。


   その中から不思議な声が聞こえて來た。

  「赤ん坊が生れる」と云ふのだ。

   この地獄の底のやうな地下室で、
   今、若い女が産氣づいてゐるのだ。

   マッチ一本ない暗がりの中でどうしたらいゝのだらう。
   人々は自分の痛みを忘れて氣づかつた。

   と「私が産婆です。私が生ませませう」と言つたのは、
   さつきまでうめいてゐた重傷者だ。


   かくて暗がりの地獄の底で新しい生命は生れた。
   かくてあかつきを待たず産婆は血まみれのまゝ死んだ。


   生ましめんかな生ましめんかな。 己が命捨つとも。





                 『 生ましめんかな 』/栗原君子 
                 (『中国文化』一九四六年三月)
                 『栗原貞子詩集』日本現代詩文庫17(土曜美術社)




祈鶴




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タグ : 原爆忌 ヒロシマ 栗原君子 生ましめんかな

[ 2006/08/09 00:00 ] 読みました^^*☆ | TB(0) | CM(10)


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