学生時代、所属していた混声合唱団に端を発し、
中世宗教音楽 を 学べば学ぶほど、
その原点 根底に在るものは グレゴリオ聖歌だと実感し、
胸震える程の 強い憧れをもって、
宗教音楽研究会にも 所属したり、と、
常に そこ へ 還りつつ、
暫し そこ に 揺蕩うては
やっぱりやっぱり ポリフォニーへと 戻って行く自分。
そんななかで、学生時代から ずっとずっと 歌いたかった
システィーナ礼拝堂 の 門外不出な伝説的秘曲、
9声部からなる Gregorio Allegri の 『 Miserere 』。
この秘曲を 父とローマに来ていた 14歳の少年モーツァルトが
システィーナ礼拝堂で 聖週間の典礼中に聴き、
宿に帰るなり 譜面におこしたのは あまりにも有名である。。。
その曲を この度、
『 第九ひろしま 2011 』 にて、
ゲスト出演の エリザベト・シンガーズ の プログラムで発見。
私のなかでは とてもとても 大切に想っている曲なので、
生で聴ける、と、
第九より 気になり めちゃくちゃ 当日を
不安とともに 楽しみに待っていた。
そして、当日。
まずは リハーサルにて、
3月11日を受けての 選曲なのだ という指揮者からのメッセージとともに
『 Miserere 』 が演奏される。
少人数の合唱団でもあり、9声部の殆どを ひとりひとりが担う。
ぴんと張りつめた出だしから魅せられ
そのまま 見事なソプラノ部分へ。
リハーサルのため、客席が空っぽで、
声が全体に響き渡るさまは 古い石造りの聖堂のなかのよう。
まさに そこに、天使の声が 空から 降って来る心地がし、
私は ぐるり 美しき ステンドガラスで埋め尽くされる――
見事な 純正調の響きに。
胸元から喉元へせりあがってくる 素直な感動と共に、
かつて 少年合唱団のテナーの如く
浄らでまっすぐな声質を愛でられ、将来を 寿がれての
なれの果て、な 今の 自分 に 向き合わされる。
はぅ。
今の自分の声は 練習不足 発声不足 …なんてもんぢゃなく、
不摂生を重ね 不養生な 自分の在り方、 魂 そのものであり、
これまでの 諸々の 澱が そのまま
ヘン な ビブラートになってる感があり。
こころ洗われる如くの美しき和音に 感動しながら、
異常に もにょっていくぢぶんが また 情けなく。 (-_-)
この日、リハで聴いた 『 Miserere 』 は、
世界でも 最高峰 の 『 Miserere 』 であったように思う。
私の好み、でもあるのであろうが、
You Tube で あれこれ 聴いてみても
この日のリハ時の エリザベトを 凌駕しない。
You Tubeのなかでは、この日の エリザベトの響きに
1番近い、と感じたのが Trinity College Cambridge によるもの。
エリザベト・シンガースの本番は、
おそらく、ソプラノさんが緊張されたのと
満員の観客席に 響きが吸収されちゃった感あり、
透明な美しさに 深みや広がりを感じられず、残念だったが、
あの リハ時には 心底 震えが来た。
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以来、定評ある タリス・スカラーズ盤を パレストリーナも 入ってるから 購入しちゃおうかな、と 迷いつつ、
ぃゃぃゃ、私は、あの リハーサル時の エリザベトのが 聴きたいんだ、と
せめてもの iPhone から You Tube の Trinity College Cambridge、 『 Miserere 』を聴く毎日。
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そして、身の程知らずにも、願う。 希う。
いつか、いつの日にか。
Gregorio Allegri の 『 Miserere 』 を
ソプラノで 歌いたい。
歌えるほどの 精進 …… を したい。
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